18/11/15 銘柄ピックアップ:騰訊(テンセント:700/HK)

2018年11月15日 18:30


◆銘柄ピックアップ◆


テンセント:好決算手がかりに株価反発、
モバイルゲーム収入が上振れ

15日終値 288香港ドル(前日比5.80%高) 18年予想PER 30.1倍              

本日(15日)の香港マーケットで、インターネットサービス中国最大手の騰訊(テンセント:700/HK)が前日比5.8%高の288.00香港ドルと大幅に反発した。前日引け後に発表した第3四半期(7~9月)決算で、純利益が市場予想を上回ったことが買い手がかり。政府が規制を強化するモバイルゲーム事業についても、予想以上の売り上げを達成したことが材料視された。決算前に成長鈍化の懸念が強まっていただけに、買い戻しの勢いが増した格好。証券ブローカー各社も強気のスタンスを継続している状況だ。以下、決算の概要を確認した上で、ブローカー各社の最新レーティング動向を紹介する。

 2018年7~9月期の業績は、売上高が前年同期比23.6%増の805億9500万人民元、純利益が29.6%増の233億3300万人民元と増収増益。純利益は市場予想(184億人民元)を大幅に上回り、2期ぶりにプラス成長を回復した。前四半期比でも堅調で、売上高が9.4%増、純利益が30.6%増で推移している。

 オンライン広告事業や決済・クラウド事業が急成長したほか、飲食店レビューやデリバリー事業を手がける美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)の新規株式公開(IPO)に伴って一時利益を計上した。当局の規制強化によって減速懸念が強まるモバイルゲーム事業については、前年同期比での増収率が1ケタ台に減速。ただ、増加基調は持続し、市場予想を上回る規模に達している。

 モバイルゲーム事業の売上高は195億人民元となり、前年同期比で7.1%、前四半期比で10.8%ずつ増加。新たに投入した「自由幻想」や「我叫MT4」「聖闘士星矢」といったタイトルが好調だった。人気ゲーム「王者栄耀」についても、有料ユーザー、売上高が前四半期比で伸長している。

 同社CFO(最高財務責任者)の羅碩瀚氏は14日の決算説明会で、スマホゲーム事業の上振れ要因について、◎ユーザー総数やプレイ時間が緩やかに増加し、市場シェアも拡大したこと、◎7~9月期は新たに10タイトルを投入し、中でもARPU(ユーザー当たり課金額)の大きい「我叫MT4」が好調だったこと、◎「王者栄耀」を中心に、課金ユーザーの比率が上昇したこと――を挙げた。羅CFOによると、スマホゲーム全体でARPUは180~190人民元という水準。未成年者規制による影響は限定的だった。

 モバイルゲームを含む付加価値サービス(VAS)部門全体では、売上高が前年同期比4.6%増の440億4900万人民元に拡大。同部門には、オンラインゲームやSNS関連、デジタルコンテンツ(動画・音楽配信)などの収入が含まれる。なおオンラインゲームのうち、パソコンゲームの売上高は15.1%減の124億人民元だった。

 他部門の売上高は、オンライン広告が47.1%増の162億4700万人民元、決済サービスやクラウドサービスを含む「その他」が68.5%増の202億9900万人民元と大きく拡大。うちオンライン広告については、SNS関連の広告収入が6割増と高い伸びを示す中、伸び率を加速させている。

 これら各種事業が基盤とするスマホ向けメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」のユーザー数に関しても、増加ペースがやや加速。同アプリの月間アクティブユーザーは9月末時点で前年同期比10.5%増の10億8250万人に伸び、増加率は4~6月期の9.9%を上回った(前四半期比では2.3%増)。一方、IM(インスタント・メッセンジャー)「QQ」の月間アクティブユーザー数は8億260万人となり、前年同期比で4.8%、前四半期比で0.1%ずつ減少している。

<一部ブローカーは目標株価引き上げ>

 決算の上振れを受け、証券ブローカー各社は強気のレーティングを継続。一部では、目標株価を引き上げる動きも見られた。例えばドイツ銀行は、328.00→337.00香港ドルに上方修正し、「買い」のレーティングを継続。外部環境が不安定な中にあってもコア事業が安定していることに言及し、「第3四半期の業績でテンセントのファンダメンタルズの強さが証明された」と指摘している。特にモバイルゲームについて、ドイツ銀は前四半期比で5%減収を見込んでいたが、実際は10.8%増収と大きく上振れた。このほか、野村も目標株価を335.00→340.00香港ドルに引き上げ、投資判断を「買い」に維持している。

 一方、一時停止状態にあるオンラインゲーム審査を巡っては、UBSが来年第1四半期(1~3月)の再開を予想。当面は業績に一定の影響をもたらす見込みだが、マイナスのインパクトは限定的とみている。ほかに大和は、「ゲーム事業を巡るマイナス材料は株価にすでに織り込まれた」との見方。ゲーム審査が再開されれば、収益上振れへの期待が一気に高まると予測している。

【会社概要】
「QQ」で知られる総合ネット企業大手。VASとオンライン広告が2本柱。看板商品の「QQ」で築いた顧客基盤とブランド力を背景に、SNSやオンラインゲームなど新サービスを打ち出してきた。近年は、スマホ向けメッセージアプリ「微信」の利用者が急増。同サービスを基盤に、各事業の収益を伸ばしている。戦略投資にも意欲的。11年にセキュリティソフトの金山軟件(3888/HK)、14年にECの京東商城に出資したほか、16年にはフィンランドのゲーム大手スーパーセルを買収。17年以降は小売事業に投資し、永輝超市(601933/SH)、カルフール中国への出資が相次いで明らかとなった。

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