18/11/7 銘柄ピックアップ:吉利汽車

2018年11月7日 18:16

◆銘柄ピックアップ◆


吉利汽車:新車販売が2年半ぶり低成長、
一部ブローカーは格下げ

7日終値 15.40香港ドル(前日比4.94%安) 18年予想PER 9.0倍 
 

 本日(7日)の香港マーケットで、中国民間自動車メーカーの吉利汽車(175/HK)が一時5.9%安の15.24香港ドルを付けるなど大きく売り込まれた。前日引け後に発表した月次データで、新車販売の大幅な減速が明らかになったため。10月の販売台数が約2年半ぶりの低成長にとどまったことを受け、証券ブローカーの間では投資判断を引き下げる動きも見られた。ただ、全体としてはなお強気のスタンスが優勢。「長期的な見通しは依然明るい」との見方が強い。以下、足元の販売動向を確認した上で、ブローカー各社の最新レーティングを紹介する。

 10月の販売台数は、合弁生産の新ブランド車「Lynk & Co(領克)」を含むグループ全体で前年同月比3%増の12万8986台。前月比では4%増加した。ただ、前年同月比の増加率は9月の14%から大幅に鈍化し、年初来初の1ケタ台に減速。2016年3月以来、約2年半ぶりの低い伸びにとどまっている。

 エリア別では、国内販売が3%増の12万7654台、輸出が76%増の1332台。全体のうち、電気自動車(EV)などの新エネルギー車が8101台を占めている。1~10月の累計販売は、全体で前年同期比33%増の126万5844台。年間目標(158万台)の達成率は80%だった。

 中国の新車市場が足元で苦戦する中、吉利の販売も伸び悩んだ格好。比較対象となる前年同期の実績が高かった反動も大きい。前年発表の実績値と比較した場合、主力SUVである「Geely Boyue(吉利博越)」の10月販売は前年同期比32.8%減の2万247台。クロスオーバーSUV「Emgrand GS(帝豪GS)」、高級セダン「Emgrand GL(帝豪GL)」の販売台数についても、それぞれ25.1%減の1万2025台、4.9%減の1万2857台に低迷した。

 また、同社は今年8月から新エネ車販売データの公表を始めたが、それ以降で販売台数が1万台を割り込んだのは今回が初めて。10月の販売台数は、9月実績(1万468台)比で22.6%減少している。

<一部ブローカーが格下げ>

 足元の販売伸び悩みを受け、HSBCは吉利の目標株価を18.30→15.90香港ドルに下方修正。投資判断についても、「買い」→「ホールド」に引き下げた。年間販売目標の達成に「黄信号」がともったとの見方だ。さらにモルガン・スタンレーは、株価一段安の可能性を指摘。販売の低迷、競合会社の積極的な販促活動が不安材料になるとし、投資判断を「アンダーパフォーム」に据え置いた(目標株価は10.00香港ドル)。10月の販売減速について、競合先の長城汽車(2333/HK)が値下げ販促を積極化させたことが影響したとみている。

 ただ、全体としては依然として強気のスタンスが優勢だ。例えば大和は、10月の販売が予想を下回る内容だった点に言及しつつも、18年通年の目標達成は可能との見方。また、長期的な収益見通しは明るく、2018~20年の予想増益率が年率30%に達すると試算している。その上で、「買い」のレーティングを継続した(目標株価は31.00香港ドル)。

 クレディ・スイスも販売目標の達成に前向きな見方で、「アウトパフォーム」のレーティングを継続(目標株価は29.00香港ドル)。19年についても、引き続き新モデル車を続々と投入することが予測される中、販売台数、売上高、純利益の2ケタ成長が続くとみている。

【会社概要】
本土中堅の民間自動車メーカー。中小型車に強みを持つ。「吉利」「帝豪」「遠景」などの自主ブランド車を生産・販売。近年は特に、SUV「吉利博越」などが人気。寧波、済南、成都など中国に9カ所の生産拠点を置き、年産能力は150万台に上る(17年末)。親会社がM&Aで海外開拓。吉利控股は10年8月、米フォードから乗用車大手ボルボ・カーズを18億米ドルで買収。17年9月には、マレーシア同業プロトン・ホールディングスへの出資を終えた。プロトンが保有する英ロータス・グループの株式51%も同時に譲り受けている。同11月、「空飛ぶ自動車」開発の米テレフギアを買収。同12月、トラックメーカー大手ボルボなどを擁するABボルボの株式8%取得を発表した。

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