2017/09/12 銘柄ピックアップ:比亜迪(1211/HK)

2017年9月12日 18:10


◆銘柄ピックアップ◆


BYD:政策の追い風で大幅続伸、
中国政府がガソリン車禁止を検討へ

12日終値 54.60香港ドル(前日比10.5%高) 17年予想PER 25.6倍

香港マーケットでは今週に入り、充電電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が大幅に続伸している。英国などに続き、中国政府もガソリン車の生産・販売禁止に向けたタイムスケジュールの策定に着手した――と報じられたことが手がかり。新エネルギー車で強みを持つ同社にとっては、政策の追い風と受け止められた。また、足元で中国の新エネ車販売が順調に拡大していることも支援材料。BYD株は11日に前営業日比4.6%高と大きく上昇した後、本日(12日)も買いの勢いが止まらず、結局10.5%高の54.60香港ドルと年初来高値を更新して取引を終えた。以下、新エネ車をめぐる中国の政策動向や足元の販売状況を確認した上で、証券ブローカー各社の最新レーティング動向を紹介する。

 まず、ガソリン車禁止の動きについて、弊社ニュース(11日配信)で概要を確認しておきたい。

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●中国:ガソリン車の生産・販売停止、タイムスケジュール策定に着手

 ガソリン車やディーゼル車など「従来型エネルギー」を燃料とする自動車の生産・販売停止に向け、中国政府がタイムスケジュールの策定に着手したことが分かった。工業情報化部の辛国斌・副部長が9日、天津市で開かれた自動車関連の国際フォーラムで明らかにしたもの。辛副部長は一部の国が「従来型エネルギー車」の生産・販売停止時期をすでに発表したことに言及した上で、「わが国もスケジュール策定を目指し、すでに検討作業に入った」と発言している。複数メディアが11日伝えた。

 中国の自動車販売台数は2016年に2800万台に達し、8年連続で世界トップの座を維持。うち、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を含む「新エネルギー車」の販売台数は50万台に達した。新エネ車の保有台数は累計100万台と、世界全体の約5割を占めている。中国政府は今後も新エネ車の普及に力を入れ、25年をめどに新車販売の5分の1以上を新エネ車にすることを目指す方針だ。

 こうして新エネ車への移行が進むに伴い、辛副部長は中国の自動車産業が25年にかけて「激しい変革の時期」を迎えると予測。中国が「自動車大国」から「自動車強国」へと成長するため、中国メーカーは事業戦略の見直しを適切に行い、新たな情勢に適応する必要があると指摘している。
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 エンジン車の販売禁止に向けた動きは欧州を中心に広がっており、これまでにノルウェーとオランダが2025年、ドイツが2030年、英国とフランスが2040年までに禁じる方針を発表。アジアでは、インドが2030年までに禁止する計画を明らかにしている。中国政府がこうした流れに追随したことについて、中国国際金融(CICC)は「政策の方向性が明確になることは、メーカーが設備投資や製品設計などを行う上で有利」との見解を示した。

 さらに新エネ車で強みを持つBYDにとっては、同車種の普及に向けた新制度も追い風となる見通し。中国政府は16年9月、完成車メーカーに一定比率の新エネ車生産を義務付ける「新エネ車クレジット管理規則」(通称「NEV規制」)の意見募集稿を発表。20年に終了する現行の補助金制度に代わる普及策として、18年の実施を目指す方針を明らかにした。同規則の主旨は、義務比率を達成できないメーカーは他社から「クレジット」と呼ばれる権利を購入するか、罰金を支払う必要があるというもの。現地メディアによれば、新エネ車市場ですでに一定のシェアを握る地場メーカーがクレジットの販売収入を得られる一方、外資系メーカーはクレジット購入、または罰金支払いを迫られる見込みという。

 日米欧韓の業界団体は同規則の内容緩和や導入延期を求めているが、前述の辛副部長は9日の時点で「近く実施する」と明言した。12日付の現地メディアによれば、BYDは同規則が実施されることで自社が大量の「クレジット」を得ることになり、その販売収入によって業績の押し上げが期待できるとの見通しを示している。

<中国の新エネ車販売は安定成長>

 このほか、中国で新エネ車の販売が順調に拡大していることもBYDの支援材料だ。業界団体の全国乗用車市場信息聯席会によると、今年7月の販売台数は前年同期比46.3%増の4万3117台に拡大。前月比では4.1%伸びた。中国政府が補助制度を見直す中、年初には一時前年の実績を下回って推移する場面も見られたが、ほどなく増勢を回復している。

先月28日の決算発表後にさえない値動きを続けていたBYD株だが、新たな材料を手がかりに足元では大きく上昇。証券ブローカー各社も総じて、強気のスタンスを維持している。同社は中間決算の発表と同時に、1~9月期も減益となる見通しを明らかにしたものの、ブローカー各社は「短期的な業績悪化は想定内」との見方。18年には再び増益に転じ、長期的な成長軌道に乗ると予測している。


【会社概要】

小型自動車メーカー大手。二次電池メーカーとして発足した後、携帯端末の組立、自動車の生産に参入。小型ガソリン車のほか、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)を生産する。09年5月にVW、10年3月にダイムラーと業務提携。携帯端末事業では、比亜迪電子(285/HK)を傘下に置く。米投資家バフェット氏が長期株主に。09年に同氏の投資会社バークシャー・ハサウェイの子会社が出資した。戦略提携。16年7月、A株増資を通じて韓国サムスン電子の出資を受け入れた(持株比率1.92%)。


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