2018/04/17 銘柄ピックアップ:中興通訊(ZTE:763/HK)

2018年4月17日 18:02


◆銘柄ピックアップ◆


ZTE:米取引禁止令を受け一時売停、
影響懸念で格下げの動きも
16日終値 25.60香港ドル(売買停止) 18年予想PER 17.3倍

 通信機器・設備メーカー中国大手の中興通訊(ZTE:763/HK)をめぐり、大きなマイナス材料が飛び出した。対イランなどの制裁措置違反を理由に、米政府が16日、自国企業による同社への部品販売を禁止すると発表したのだ。ZTEは通信機器を製造する際、米国製部品に大きく依存しているとされ、経営にマイナスの影響をもたらすと懸念されている。この禁止令を受け、同社は「内部情報を開示する」として本日(17日)寄り付きから株式売買を一時停止。株価への影響を最小限に抑えるべく何らかの説明を行うとみられるが、証券ブローカーの間では早くも投資判断を引き下げる動きが出始めている状況だ。以下、一連の流れを確認した上で、証券ブローカー各社の見解と最新レーティングを紹介する。

 まず、今回の経緯を簡単に確認しておく。米商務省産業安全保障局(BIS)は16日、米国企業に対し、ZTEへの部品輸出などの取引を7年間禁止する措置を発表した。イランと北朝鮮への禁輸措置違反に関連し、ZTEが再発防止策について虚偽の説明をしたことが理由だ。ZTEとの取引を通じて、イランなどに米国の通信機器や部品が渡るのを防ぐ狙いがある。

 これに先立つ昨年3月、米商務省は「米国の制裁措置に違反してイランと北朝鮮に通信設備を輸出した」として、ZTEに11億9000万米ドル(約1270億円)の罰金を科した。また、関与した従業員の解雇なども求めている。ZTEは罰金の支払いに同意し、「これら従業員を処分した」と報告していた。

 しかし商務省によると、ZTEは実際には問題の従業員を処分しなかったばかりか、ボーナスまで支払っていたという。ロス商務長官は「ZTEは商務省を欺いた。こうした悪質な行為は容認できない」と非難している。
これを受けてZTEは17日、香港、深センの両証券取引所での株式売買を一時停止した。「米商務省による取引禁止令を受けて、内部情報を開示する予定」と説明している。

 中国商務部もこの日、報道官の談話を公式ウェブサイトに掲載。「中国企業の合法的な権利を守るために、必要な措置を取る準備がある」と述べ、米国に対抗する姿勢を示した。

<一部で格下げの動きも>
 一連の動きを受け、証券ブローカーの間では早くもZTEの投資判断を引き下げる動きが出始めた。ジェフリーズは17日付のリポートで、投資判断を「買い」→「アンダーパフォーム」に2段階格下げ。目標株価は36.08→15.72香港ドルと、6割近く下方修正している。米国製部品の供給が滞ることで、ZTEは製品の納品が遅れ、新たな受注も逃すことになるとの見方からだ。その上でジェフリーズは、同社の2018年、19年売上高をそれぞれ13.5%、7.6%、純利益を51%、28%ずつ減額修正している。

 このほか、野村の試算によると、米国製部品がZTEの原材料コストに占める比率は10~15%という規模。短期間で代替サプライヤーを見つけることは難しいほか、仮に7年にわたって禁止措置が実施された場合、同社のサプライチェーンは断絶する見込みという。中国国際金融(CICC)も最新リポートで、「1~2カ月内に和解できなかった場合、正常な生産と販売に悪影響をもたらす恐れがある」と警戒した。

 一方、ドイツ銀行はしばらく様子見のスタンス。「現時点で影響を見積もるのは難しい」との見解を示している。「米国の今回の発表は最終決定ではなく、結論は米中両政府による話し合いが決着するまで持ち越される」との見方だ。その上で、投資判断を「ホールド」、目標株価を29.50香港ドルに維持した。
 なお、昨年3月に合意した罰金支払いの影響で、同社は2016年12月期に赤字転落を強いられた。罰金に関連し、多額の特別損失を計上したことが主因。ただ、翌17年12月期にはこのマイナス要因がはく落する中、再び黒字転換を果たしている。

【会社概要】

通信設備・携帯端末メーカー大手。「ZTE」「ZTE中興」ブランドの機器、端末を生産。中国移動(941/HK)、中国聯通(762/HK)、中国電信(728/HK)など、国内通信キャリアを大口顧客に持つ。新事業開拓にも意欲。14年9月、東風汽車グループと提携し、EVバス向けワイヤレス充電の実用化を目指すと発表。16年7月には、子会社の中興智能汽車(ZTEスマートオート)を通じ、広東省に拠点を置くEVバスメーカーの珠海広通客車(Granton)を買収した。5G投資を加速。18年から数年間で5G技術の研究開発に467億人民元を投じる。その資金を一部調達するため、18年2月にA株増資の実施を発表した。


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