2018/07/10 銘柄ピックアップ:吉利汽車HD(175/HK)

2018年7月10日 18:25


◆銘柄ピックアップ◆


 吉利汽車:
同業上回る販売ペースで株価急伸、
ブローカーが軒並み強気評価

10日終値 20.25香港ドル(前日比1.7%高) 18年予想PER 11.2倍

本日(10日)の香港マーケットで、中国民間自動車メーカーの吉利汽車(175/HK)が一時4.7%上昇するなど動意付いた。前日引け後に発表した月次データで、新車販売の好調持続が確認されたためだ。同業他社を上回る販売ペースを達成するなど、同社の好調ぶりが目立つ状況。証券ブローカー各社も軒並み強気スタンスを継続する中、本日は結局、前日比1.7%高の20.25香港ドルで引けた。以下、足元の販売動向を確認した上で、ブローカー各社の最新レーティングを紹介する。

 6月の販売台数は、合弁生産車を含むグループ全体で前年同月比45%増の12万8449台に膨らんだ。増加率は5月の61%から鈍化したものの、依然として高成長を維持している。前月比では4%増加し、プラス成長に転じた(5月は4%減)。

車種別では、2016年以降に投入した最新モデル車が引き続き人気を集めた。主力SUVの「Geely Boyue(吉利博越)」が2万2233台を売り上げ、2万の大台突破が続いている。このほか、同社初のクロスオーバーSUV「Emgrand GS(帝豪GS)」が1万4044台、高級セダン「Emgrand GL(帝豪GL)」が1万3819台、最新SUV「Vision SUV(遠景SUV)」が1万426台と、いずれも高水準の売れ行きを維持した。

 また、昨年12月に発売した新ブランド車「Lynk & Co(領克)」については、ファーストモデル「01」の販売台数が9247台に増加。前月の9234台を小幅ながら上回り、月次ベースの最高記録を更新している。

 同社は18年の販売目標について、前年実績を27%上回る158万台に設定している。上半期の累計販売は前年同期比44%増の76万6630台に上り、目標消化率は49%に達した。上半期の販売が好調だったことに加え、下半期も引き続き新モデル車の投入を予定していることから、同社は年間目標の超過達成に自信を示している。

<ブローカー各社は軒並み強気評価>

 新車販売が順調に伸びる中、証券ブローカー各社は吉利汽車に対して軒並み強気のスタンスだ。うち中国国際金融(CICC)は、販売の伸びが同業他社を大幅に上回っていると指摘。目標株価を31.20香港ドル、投資判断を「買い」に維持した。同業他社の6月販売データを見ると、広州汽車集団(2238/HK)が前年同月比4.6%増、東風汽車集団(489/HK)が1.4%減、長城汽車(2333/HK)が3.5%減という結果で、吉利汽車の好調ぶりが目立っている。

またクレディ・スイス(CS)によると、下期は販売の好調だけでなく、収益性の改善も期待できるという。足元で自動車販売価格が安定的に推移する一方、規模の効果によって1台当たり固定費の減少が見込まれるためだ。2018年6月中間期の業績(8月末までに発表予定)について、CSは前年同期比50%増益を予測した。さらに、下半期はコンパクトセダン「Binrui(繽瑞)」シリーズや、コンパクトSUV「Xingyue(星越)」などの発売を控えていることから、通期でも好業績を維持するとみている。

 

なお、同じ日に6月販売データを発表した長城汽車は本日、前日比4.8%安の5.31香港ドルで引け、吉利汽車と明暗を分けた。SUVを主力とする長城汽車に関しては、同車種の市場競争が激しさを増す中、6月の新車販売が前年同月比3.5%減の6万2186台に低迷。CICCは同社の目標株価を9.90→6.00香港ドルに下方修正し、投資判断も「買い」→「中立」に引き下げている。

【会社概要】

本土中堅の民間自動車メーカー。中小型車に強みを持つ。「吉利」「帝豪」「遠景」「自由艦」「熊猫」などの自主ブランド車を生産・販売。近年は特に、SUV「吉利博越」などが人気を集めている。寧波、済南、成都など中国に9カ所の生産拠点を置き、年産能力は107万台に上る(16年末)。グループで海外開拓。親会社の吉利控股は10年8月、米フォード傘下のボルボ・カーズを18億米ドルで買収した。17年9月には、吉利控股がマレーシア同業プロトン・ホールディングスへの出資を完了。吉利控股はプロトンの株式49.9%を取得したほか、プロトンが保有する英ロータス・グループの株式51%も同時に譲り受けている。

 

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