2018/10/10 銘柄ピックアップ:騰訊(テンセント:700/HK)

2018年10月10日 18:22


◆銘柄ピックアップ◆


テンセント:過去最長の9日続落、
ブローカー各社の長期スタンスは依然強気


10日終値 286.40香港ドル(前日比2.52%安) 18年予想PER 30.5倍

 本日(10日)の香港マーケットで、インターネットサービス中国最大手の騰訊(テンセント:700/HK)が9営業日続落し、株価下落の過去最長記録を更新した。オンラインゲーム規制への懸念がくすぶっているほか、中国の景気減速懸念や足元の人民元安、これら背景とした中国株安が弱気材料だ。目先の収益下振れが懸念される中、複数の証券ブローカーが同社の目標株価を下方修正している。ただ長期的な見通しについては、依然として明るいとの見方が優勢。ブローカー各社も軒並み強気のレーティングを継続している。以下、テンセントを巡る足元動向を確認した上で、ブローカー各社の最新レーティングを紹介したい。 まず、最近のテンセント株の推移を確認しておく。同社株は本日、前日比2.5%安の286.40香港ドルと年初来安値を記録。9営業日連続で下落し、これまでの最長記録(2010年1月18~27日の8営業日続落)を更新した。朝方は買い戻しが先行したものの、徐々に売りに押される展開となっている。9日の時点で、テンセントの時価総額は直近高値から約3兆香港ドル(約43兆円)目減りし、世界の時価総額ランキングで10位圏外に転落した。

 同社株の不振は、中国当局によるオンラインゲーム規制への警戒感が背景(9月6日付「招財」参照、こちらをクリック)。9月末の時点では、政府組織の改編で一時停止している新作オンラインゲームの審査について、「予想より再開が遅れる可能性がある」との情報が伝わっている。野村が消息筋情報として明らかにしたもので、「審査の権限を巡り、党と政府との間で調整が難航している」という。

 さらに最新の報道によると、中国当局はオンラインゲームだけでなく、各種ネットサービスに対する監督を強化している可能性がある。テンセントを巡っては9日、「ライブ動画配信プラットフォーム『闘魚(douyu)』のサービスが大幅に縮小された」との情報が伝わった。報道によると、「闘魚」のiOS向けアプリはApp Storeから削除され、Androidのアプリストアでは簡易版のみのダウンロードが可能。この簡易版では、「投げ銭」機能が廃止され、配信動画を見ることしかできないという。「投げ銭」の廃止によって、「闘魚」の収益にマイナス影響が出ると懸念されている。

 また、SNSプラットフォームの新浪微博(ウェイボー:WB/NASDAQ)は、ミニブログ「微博」の年齢制限を実施する方針だ。同社は9日、14歳未満のユーザーの新規登録を11月1日付で禁止すると発表。その理由について、「未成年者のネット空間の安全を守るため」と説明している。

 政府による締め付けが強まる中、ネット企業の業績下振れが懸念される状況だ。外資系証券ブローカーのアナリストは、当局による規制強化で中国ネット関連株の先行き不透明感が高まっていると指摘した。こうした中、足元の香港・米国マーケットでは、テンセントやウェイボーだけでなく、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)や百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ)といった中国のネット関連株が軒並み苦戦を強いられている。

 なお、テンセントが先ごろ発表した18年4~6月期の業績は、売上高が前年同期比30.2%増の736億7500万人民元、純利益が2.0%減の178億6700万人民元と増収減益。四半期ベースでの減益は、05年7~9月期以来およそ13年ぶりとなった。人気の対戦型ゲームがまだ収益化できていないことに加え、新ゲーム投入のタイミングが影響した格好。前四半期比でも、売上高が0.2%増、純利益が23.3%減とさえない結果だった。

 規制強化による収益下振れを織り込み、JPモルガン・チェースやUBSがテンセントの目標株価を下方修正している。うちUBSは、オンラインゲーム事業への影響だけでなく、広告収入の目減りにもつながる可能性を指摘し、18~20年の予想EPSを8~11%減額修正。これを反映させ、目標株価を450.00→400.00香港ドルに引き下げた。

 ただ、UBSを含むいずれのブローカーも投資判断は依然として強気。「長期的な見通しの明るさには変わりがない」との見方だ。当局による規制は短期的な収益押し下げ要因になる可能性があるものの、長期的に見れば業界の健全な発展にとってプラスに働くとみている。


【会社概要】

「QQ」で知られる総合ネット企業大手。VASとオンライン広告が2本柱。看板商品の「QQ」で築いた顧客基盤とブランド力を背景に、SNSやオンラインゲームなど新サービスを打ち出してきた。近年は、スマホ向けメッセージアプリ「微信」の利用者が急増。同サービスを基盤に、各事業の収益を伸ばしている。戦略投資にも意欲的。11年にセキュリティソフトの金山軟件(3888/HK)、14年にECの京東商城に出資したほか、16年にはフィンランドのゲーム大手スーパーセルを買収。17年以降は小売事業に投資し、永輝超市(601933/SH)、カルフール中国への出資が相次いで明らかとなった

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